2019年4月9日火曜日

月の沙漠

 第3ステージの最後の曲です。
 月の沙漠(つきのさばく)は、詩人である加藤まさをの作品の一つで、1923年(大正12年)に発表され、それに作曲家の佐々木すぐるによって曲を付けらた童謡です。歌詞はこちらをご覧ください。
 
 モチーフとなった場所は、2か所の説があります。千葉県夷隅郡御宿町の御宿海岸(月の沙漠記念館がある)説と、静岡県焼津市(旧大井川町)の吉永海岸説です。前者は、加藤が結核療養のために訪れた場所で、後者は加藤の出生地の近くで幼少時代に遊んだ場所です。その他、いろいろあるようですが、結局はこの唄の聴き手の判断に任せるしかないでしょうとのことです。

 1965年に朝日新聞記者本多勝一のインタビューがあり、その中でいろんな矛盾点が指摘されています。「乾燥した砂漠で、月が朧にけぶることはない」、「砂漠では水を運ぶのに皮袋を使う。金属の甕では水が煮立ってしまうため」、「王子と姫が二人だけで旅をしていたら、たちまち山賊に略奪される」等々。
 私もこの記事を読んでおり、沙漠は厳しい自然環境で、こんなロマンチックな情景はないんだと、子供ごころに納得した記憶があります。ただ、それでもこの詩は、好きです。男女でラクダにまたがり歩く姿や、月夜の美しさ、荒涼とした砂漠の情景、こころの奥底にある気持ちをくすぐられます。

 寺嶋陸也さん編曲の合唱曲は、YouTubeに上がっていないので、倍賞千恵子さんのものを貼っておきます。

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