今回は「風紋」のなかの「あなたは風」をとりあげます。
「風」は男性を、「砂丘」は女性を意味して、男女の恋愛を歌っています。メロディは淡々とした女声の「あなたは風 あなたは来る」から始まり、男声の「おまえは砂丘よ 美しい砂丘よ」と女声の「風よ早くここまで来て」と掛け合い、クライマックスは男声の「愛している 愛している」と情熱的です。
さらに、「百万本の手を挙げてひた走る」、「風の歯は砂丘の肩をかみ砕く」、「ああ闇のなかで」と官能的ですらあります。さすが岩谷時子さんの詩です。ネットのなかで、想像力のある男子中学生が赤面しながら「愛している」と歌っていたとか、中学生には歌えない曲かもとか、言われています。
なお、「風紋」は、グリーンエコーとして1989年の第3回演奏会以来、28年ぶりの再演です。
最後に、風紋のまえがきにある石井歓さんの言葉を紹介して終わります。
「風を男声で、砂丘を女声で対話的に構成し、このやさしくもはげしい自然現象を”愛”のかたちに託し明るい抒情をこめて歌い上げる」
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